小さなストレスでも慢性的になると…
毎日生きているとさまざまなことでストレスを感じ、落ち込むこともあります。
仕事上での小さなミス、家族とのちょっとした行き違いや衝突、友達のSNS上の言葉にカチンときたり、届くはずの宅配が時間通りに来なかったり、低気圧前の頭の重さなど等。小さなストレスでもそれが重なるとメンタルがかなり落ちることもあります。
すると心の中で、「あの時、こう言えば良かった。失敗した。」とか「こうしてくれないと困るわ。」「次に同じことが起こったらどうしよう。」など様々なことが浮かんできます。ふと気が付くと、ソファの上でスマホを片手に心はここにあらず、あれこれ考え、姿勢は猫背になっている自分に気が付きます。そして、心の中では、「自分ってダメだな~。」とか「なんでこんなにうまくいかないんだろう。」という考えが浮かんで、気持ちが重くなり、身体も何となくしんどくて…と悪循環になっていることがあります。
ストレスは、一つ一つはそれほど大きくなくても慢性的になるとさまざまな影響が心身に出てしまいます。「あっ、今私、心が自動操縦状態になっていた。」とまず気づくことが大切です。
山のポーズ
もし、自動操縦状態になっていても、このように自分のいつもの自動思考やパターンに気が付いたときは、まず気が付いた自分をほめてあげましょう。まず、「気が付く」ということがとても大切。そして、ソファやベッドから起き上がり、もしよかったら、「山のポーズ」をしてみましょう。何かが変わるかもしれません。
- 足を腰幅~肩幅ぐらいに開き立ちます。
- 足の指を縮めたり、伸ばしたりして足の裏の感覚をたしかめます。身体を少し前後、左右に揺らします。
- 左右均等に体重をかけられる位置を見つけ、もう一度足の裏を地面に解き放つような感じで起き、しっかりと体を支えます。地面によって支えられている感覚を感じてみます。
- その上に膝を載せるのですが、つっぱるのでなく、少し浮力を持たせるように柔らかくして足首の上にのせます。
- その上に太ももを載せ骨盤をのせます。
- 骨盤がちょうどいい位置になるように、少しズボンの後ろポケットに砂袋を入れるようなイメージで、調整すると少し下腹部が締まるのを感じるかもしれません。
- 骨盤の上にすっと緩やかなS字カーブを描く様に背筋を伸ばして、その上に首、そして頭をのせます。
- こころもち良い空気が入るように肩や胸を開きます。
- あごは微調整して、こころもち引くと良いかもしれません。
- 腕は体側に自然に降ろします。
- 目は開けていても、閉じてもかまいません。開けている時はゆったりと前方(できれば刺激の少ない所)を見ます。
- 自分の好きな山をイメージしてみます。
- 自然な呼吸をし、そのポーズで立っている感覚を感じてみます。呼吸はまるで山の中の新鮮な空気を呼吸しているように感じています。
- あなたの頭が山の頂上で、頭から肩、腕、指先までが山のなだらかな稜線です。
- そして、山のいろいろな性質を思い浮かべ、自分の中にそれを取り込むようにイメージします。堂々とした山、尊厳を持って立っています。静寂で、しっかりと大地に横たわっている…。
- しばらくその感覚を感じて、呼吸をしてみます。
- ゆっくりと目を閉じている人は目を開け、自分の目に今、目に映っている景色をやさしく受け止め、少しずつ指先、足先から身体を動かしてみましょう。
いかがでしたでしょうか?どのような思い・考え、感情、身体感覚を感じたでしょうか?
山のポーズを行う前と後では違いはあったでしょうか?
5分ぐらいでも、今ここの自分の身体の感覚を感じたり、山のポーズを意図して体験することによって、あちこちと飛び回っていた心と身体が穏やかに調和しているかもしれませんね。
そしてこのポーズは、立位のヨーガや、山の瞑想の時の大切な基本のポーズでもあります。
よかったら、少し落ち込んだ時などに試してみてくださいね。