私たちの周りの自然 #3 ~Heat Stress~

MBSRの中で、World Stressについて考えることがある。特に近年は温暖化における夏の暑さが自然や私たちに与える影響が大きい。今こそ、しっかりと目覚めた状態で私たちは、この現実を受け入れ、そして知恵を絞り、選択していかなければならないかもしれない。
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World Stress ~Heat Stress~

 ウェザーニューズによると、日本では、2024年は猛暑日が過去最多だったそうです。また、暑かっただけではなく、夏のような暑さが6月から10月まで長期にわたり続いていました。10月も終わろうとしている数日前、電車ではまだクーラーがかかっていました。雨が降り、ようやく昨日ぐらいから秋らしさを感じられるようになってきました。

 MBSRの中に「World Stress」という章があります。(FULL CATASTROPHYE LIVING Jon Kabat-Zinn pp.538~561より)

 今年度は温暖化による気候変動、特に「暑さ」についても話題になっていたそうです。

 参禅会に参加していても、8月は「命に関わる暑さ」ということで、坐禅堂ではなく、クーラーの入った本堂で坐禅をすることになりました。このお寺始まって以来のことです。

  また、ILOが「酷暑が働く人の命を脅かす」として報告書を出しました。

自然とのバランス

 この長く過酷な暑さのために夏の畑では、様々な異変がありました。

 トマトは大きく実割れしたり、ピーマンは、花が咲かなくなり、かろうじてできた実は、皮は日で焼けて茶色い斑点ができました。私は、あまりの暑さに身体の声を聴きながら作業していましたが、水やりで精いっぱいで頭がクラクラし、とうとう熱中症でダウンしてしまいました。

 9月に入っても真夏のような日差しと暑さは続き、秋・冬野菜の準備をすることが出来ませんでした。ようやく例年より2~3週間遅れで、大根の種をまきました。

 昨年初めて大根を作ったときに私の大根だけひどくシンクイ虫にやられたので、今年は、暑さにフーフー言いながら、今年は対策をしようと「暑さ+虫対策」として防虫ネットを張りました。

 お師匠様たちは、黙々と種を蒔いておられました。発芽すると暑さの中、眼光鋭く巣くうシンクイ虫を見つけ、次々に捕殺しておられました。この調子でいつものように順調に大根は大きくなっていくはずでした。

 ところがどうしたことでしょう。今年のシンクイ虫はとてもしつこく、採っても採ってもどこからともなく湧き出てきて、何度種を蒔き直しても食べられて、お師匠様たちの大根はほとんど全滅状態でした。

 防虫ネットのお陰か、私の大根たちはスクスクと育っていました。
 「ええなあ、あんたの大根は、うまいこと育っていて。僕のは全滅や、また秋撒きの大根の種を植えなあかんわ。」などと言われるので、内心「やったー!もしかしてお師匠様たちよりうまくできるかもしれない!」と私は、不遜にも思ってしまいました。

 ところが2日前、大根を見ると「あれ、葉が食べられている!」。防虫ネットを外し、よく見ると、これはあのシンクイ虫の食べ方です。「やばい!早く採らなくちゃ!」と思いピンセットで新芽のところを探していると、いるわ!いるわ!大きいのから小さいのまで。
 気が付くとお師匠様が近くに来て、「あんたのところにもおるんかいな。やった~!あんたもわしらと同じやなあ。」とニコニコと笑いながらおっしゃいます。

 私は、「も~!腹立つわ~!」と小声で言いながら虫をとっていると、さすがお師匠様、虫取りを手伝ってくださいました。結局すべての大根のシンクイ虫がいました。「なんで、ネットをかけているのにシンクイ虫がいるんだろう?蝶は入らないはずなのに!」とぼやくと、「虫も生きていくのに必死やからあの手この手と考えるんや」。

「なるほど。命がかかっているんだもんなあ。いくら人間が都合のいいように考え、完全にコントロールしようとするのはあまりにも自分勝手…。

 それに、虫たちもこの酷暑を必死で生き抜いて、少し暑さがましになったこの時を待ちに待って爆発的に発生したのだろうなあ。」と感じました。ふと、摂心の食事前に他の生き物のために皆が少しだけご飯を取り、供えたことが思い出されました。

 間違いなく、この過酷な温暖化を招いている大きな原因の一つは私たち人間です。世界中で、気温が上昇し、日照りや集中豪雨、山崩れ、山火事、超大型台風、真夏の雹などで人間が苦しんでいると同時に動物も植物も虫も岩もみんながダメージを受け続けています。
 それに加えて世界各地では戦争も継続している…。

 私たちは、もしかしたら人類の最終地点にいるのかもしれない。
 まだ、私たちが気づけば、地球はバランスを取り戻してくれるだろうか?そんな考えが頭をよぎります。

 地球上の私たちが、今していることを「STOP」して、呼吸をしながらはっきりと目覚め、自分の思いや考え、感情、身体感覚と今までの経験を総動員し、選択ができれば…。

STOP(一時停止)

 「STOP」は、私たちが生活している中で、無意識で行っている行動、自動操縦モードになっている時にそこから抜け出す方法です。自動操縦モードの反応性はときには役に立つこともあります。ですが、実際は物事の本質を考える時間は無く、それに伴う感情や本来感じるであろう身体感覚を無視したり、意識せずに回避したりしている可能性があるのです。


 無視したり、回避し続けるとどうなるでしょうか?

 そしてそのような物事への反応の仕方が、慢性化してしまうと自分にとって本当に大切なことを感じられなくなっている可能性も出てきます。
 同じことが地球規模で起こっているとしたら?
 以下は、MBSRの中のストレスへの対処法を探索するセッションで紹介されることが多い方法です。

 もし、興味があれば、チャレンジしてみてください。

 もしかしたらこの「STOP」をした後は、自分自身の思いや考え、感情、身体感覚などを総動員した新しい選択や行動が生まれる「Space」が生まれているかもしれません。

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