瞑想できる場所と仲間を見つける

瞑想を最初から一人で行うことは難しいかもしれません。指導者がおり、グループの中で体験する方法も効果的であり、長く継続できるかもしれません。
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瞑想あるある…

 どのような瞑想も最初は一人で行うことが多いと思います。本やネットなどで調べて自分でやってみるものの、少し行うと身体は、足がしびれたり、眠くなったりします。心の中には、少し前に起こった腹立たしいことが思い浮かんだり、ずっと昔に自分のした行動の後悔が浮かんだりと、私たちの心はとても忙しく動いていて、いっこうに留まること気配はありません。
 ほとんどの人は「集中力」や「無」の状態になることを目指して瞑想を行いますが、それとは程遠い状態になるのは一般的な傾向です。

 私たちのせわしなく動き回る心を表す言葉に、意馬心猿であるとか、子どもに説明するときは「子犬のように」等という表現を使うこともあります。

 仮に、初めての瞑想や初歩的な段階で理想的だと思う体験をすると、今度はそのような境地を追い求めてしまい、その時の境地にこだわり、そのようにできない自分に対して焦ったり、責めたりしてしまいます。

 その結果、瞑想は無理と数回でやめてしまう人も多いと聞きます。

 また、瞑想を始めるには、ある程度の体力、気力がいりますので、ご自分の心身の状況をよく見定めることが大切です。瞑想を効果的に自分の生活の中に生かすために、何かの事情でお医者さんにかかっておられる場合は、医師によく相談し、瞑想を日々の生活の中に取り入れてもよいか許可を取られること、また、事前に瞑想の指導者に相談すること等をお勧めします。
 瞑想に限らずですが、どんなことでも無理をしてしまうと心身の状態をかえって悪化させてしまうことがあるからです。また、周りの方々の理解も必要です。

みんなで座れば怖くない?

 どうすれば、瞑想を続けることができて、日常の生活に活かすことができるのでしょうか?
 毎日の中での個人的な瞑想の練習も大切なものですが、仲間とともにする瞑想の練習も違った意味で大切だと感じています。

 MBSR(マインドフルネスストレス低減法)の中では、静坐瞑想の練習をファシリテーターのガイドで少しずつ練習していきます。そして、何でも質問できる指導者がいることもとても大切です。

 MBSRでも坐禅でも瞑想について説明を受けたり、行った後に、指導者に質問できたり、体験をシェアする場があると、本当に安心します。「みんな、そうですよ。」などと言ってもらえたら、本当にうれしいし、安心ですよね。

 MBSRでは、セッション中はグループの参加者がファシリテーターの説明やガイドのもとに練習します。最初の頃は、5分も立たないうちにあちらこちらでゴソゴソと動く音がしたり、床からイスに座り直したり、お腹がグッーとなったりと落ち着きません。仲間の様子に「ああ、私だけじゃないんだ。」と妙に安心もしました。

 MBSRでも私が行っている参禅会でもシェアする場所と時間がきちんと構造化されています。参禅会では、茶礼という時間がそれにあたり、お茶を飲みながら和尚様から参禅の感想を求められたり、こちらから質問したりします。

 MBSRではこんな経験をしました。数週間たち、静坐瞑想にも慣れてきた時に、グループでプラクティスをしているととても張りつめて集中している感じが肌身を通して伝わってくる瞬間がありました。好奇心の強い私は、「この感じって…?みんなどんな感じで瞑想をしているのかしら?」と思い、薄目を開けて周りを見てしまいました。

 すると、瞑想しているみなさんの頭から天井に向かいゴッーと光の柱が立ちあがっているように感じました。驚きました。私の目の錯覚かとも思いますが、確かにその瞬間に感じたのです。とても不思議な感覚でした。

 仲間とともに瞑想することは、疑問を聞けたり、共感しあったり、体験を共有出来たりできる安心感を得ることができますし、時には緊張感を維持し、集中するエネルギーを共有しあえる場が得られるのかもしれません。

 個人的な感想です…。

 

道元の言葉

「マインドフルネスストレス低減法」の序文でジョンカバットジンさんが「日本の読者のみなさんへ」と書かれている文があります。

「(途中より抜粋)…十三世紀の偉大なる禅師、道元の思想にも大きな影響を受けました。道元は次のように言っています。

瞑想を行い、そこから様々な功徳を得ている人は数知れない。

あまりにも単純な方法だからと言って、その可能性を疑ってはならない。

今、自分が存在している場所で真実を見つけることが出来ないというなら、

いったいどこにしんじつはあるのだろう。

人生は短く、何人も次の瞬間が何をもたらすのかを知ることはできない。

心を養いなさい。その機会はいくらでも訪れる。

やがて、素晴らしい知恵を発見することになるだろう。

そうすれば、今度はその知恵をほかの人々と十分に分かち合い、

彼らに幸福と平和をあたえることができる。(以下続く)」

引用:「マインドフルネスストレス低減法」pp. x~xiii ジョンカバットジン 春木豊訳 北大路書房

 

 ①瞑想の指導者がいること ②瞑想をする場所が確保されていること ③時間が設定されている(スケジュールがあり、できれば,指導者に質問できる設定がある等)が大切です。

 私の場合は、グループでの瞑想体験も大切だと感じたので、そのような継続できる場をネットや口コミで探しました。MBSR講師等がオンラインで行っている瞑想会や各宗派の禅僧の方々の瞑想会もあります。私は、ジョンカバットジンさんの上記の言葉から、曹洞宗ネットの中の曹洞禅ナビでも調べてみました。

「そんなところに行くのはちょっとまだ…。」と思われる方もおられるかもしれません。もし良ければ、参禅会ってどんなのかしら?と思われる方は、友人の書いているブログの「陽松庵ほのぼの日記」を読んでみてくださいね。

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